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種類 |
柴犬 |
性別 |
雄 |
年齢と体重 |
5歳、 14kg |
症状と診断 |
半年ほど前から尿に血が混じるようになったとのことで、受診されました。体温は39℃、排尿・排便は問題なく、食欲は正常で元気もあるとのことでした。膀胱炎を疑い、白血球数を調べたところ、11,200個でそれほど多くはなく、感染症の時に増える分葉核白血球(好中球)も74%でほぼ正常値の範囲内でした。血液の生化学検査では肝機能、腎機能共に正常値の範囲で、カルシウム、無機リンも正常でした。膀胱炎だけでは納得できず、尿石症を疑いレントゲンを撮影したところ、膀胱内に非常に大きな卵円形の陰影を認め、膀胱結石と診断しました。夕刻の受診だったので翌日手術をすることにしました。翌朝、尿を採取し尿検査を実施、結果は蛋白(++)、ブドウ糖(-)、pH(8)、潜血(+++)、赤血球(+++)、白血球(+++)、結晶(+)、細菌(++)でした。術前に膀胱を触診したところ、レントゲンに写っていた形状の結石を確認することができました。飼い主さんの希望で、去勢手術も併せて実施しました。
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術後の処置 |
尿検査でpHが高く細菌も陽性であったことから、術後は抗生物質を投与すると共に、再発を防ぐためpHを下げる療法食を給与することにしました。
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レントゲン写真で、膀胱内に卵円形の結石が認められます。予想外に大きな結石だったので、最初は自分の目を疑いました。 |
摘出した膀胱結石、大きさは長径が3.7cm、短径が2.3cm、厚さが1.1cm、重さは8.0gありました。
結石が大きすぎたため、幸い尿路の閉鎖が起きなかったものと考えられました。 |
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