さとう動物病院
   長野県 千曲市
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犬の腰部に形成された毛包上皮腫 
  患者さんは7才のシェパード、雌(不妊済)です。胸部および腰部背側に腫瘤が形成され、急激に大きくなってきたとのことで受診されました。胸部の腫瘤は直径が2cmで水疱状呈し、腰部の腫瘤は鶏卵大で硬結感を有していました。形態学的に2種類の異なる皮膚の腫瘍と診断し、外科的に摘出しました。
 摘出した腫瘤の病理組織学的検査で、胸部の腫瘤は腫瘍ではなくアポクリン腺が拡張してできた嚢腫(のうしゅ)と診断され、腰部に形成された大きな腫瘤は毛包上皮腫と診断されました。毛包上皮腫は、犬では比較的多い皮膚の良性腫瘍です。
 術後の経過は非常に良好で、手術をして2年ほど経過しますが、再発することもなく元気にしています。
 なお本症例の詳細については、猫の症例と併せて「獣医臨床皮膚科」(Vol.13, pp. 203-206, 2007)に掲載されていますので、ご参照ください。
 
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