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種類 |
犬、シェットランド・シープドッグ |
性別 |
雄(未去勢) |
年齢と体重 |
9歳、 16kg |
症状と診断 |
全身性に脱毛がひどくなったとのことで受診されました。症状は1年以上前から出ていたとのことです。脱毛は当初、腰部背側に認められ、その後、頚部周囲、腹部、、肛門周囲、胸部背側にも見られるようになったとのことです。完全脱毛は胸部背側と肛門周囲で、他の部位は抜け毛であったり、短い毛が部分的に認められました。経過が長く強い痒みを示したことから、痒み止めの処置をすると共に、ノミとダニの駆除剤(フロントライン)を投与し、フードをアレルギー除去食に切り替え様子を見ることにしました。2週間後に元気消失、食欲不振で再受診、発熱(39.9℃)を認めたため抗生物質を投与しました。この際、雄にもかかわらず乳腺(乳頭)が発達していることに気がつき、精巣の有無を確認したところ、未去勢にもかかわらず、陰嚢内には左の精巣しか認められませんでした。レントゲン検査で腹部右側に鶏卵2個分ほどの陰影を認めました。以上の所見から、右側停留精巣のセルトリー細胞腫によるホルモン性の皮膚病と診断しました。 |
手術 |
発熱が治まり体調が回復した1週間後に、右側停留精巣と左側陰嚢内精巣の摘出術を実施しました。 |
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皮膚病に罹患したシェルティー |
胸部背側の脱毛部 |
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腹部の脱毛部。包皮の浮腫が認められます。また雄にもかかわらず、乳頭(乳首)が大きくなっています。 |
摘出された右側の停留精巣。腫瘍化して著しく腫大し、重さは135.4gもありました。左側は陰嚢内の精巣で萎縮しており、重さは5.4gでした。右の腫瘍化した停留精巣から女性ホルモンが過剰に分泌され、乳頭が大きくなったり、皮膚の脱毛が起こったりするものと考えられています。 |
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手術後、1年ほど経過したときの写真です。毛がふさふさとして艶も良く、見違えるようになっていました。 |
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