さとう動物病院
   長野県 千曲市 
トップページに戻る
雄犬の尿道・膀胱結石

 患者さんは5歳の雄犬(未去勢)です。尿の出が悪く、血液が混じっているとのことで受診されました。食欲がなく、嘔吐も認められました。レントゲン検査で、膀胱の膨満を認め、膀胱内に多数の結石が確認されました(写真左内)。結石は膀胱基部と尿道内にも認められ、典型的な尿路結石と診断しました。
 直ちに全身麻酔を施し、膀胱内圧を下げる目的で膀胱穿刺を行い膀胱から直接排尿を行いました。次に結石を膀胱内に押し戻すため、生理食塩水でフラッシュバックしながらカテーテルを挿入しました。何度か同じ操作を繰り返しましたが、結石を膀胱内に押し戻すことができなかったため、尿道切開術を施し、結石を摘出しました。また前立腺の肥大も認められたため、尿道内の結石を摘出後、去勢も併せて行いました。膀胱内には大小様々な結石が多数認められたため、膀胱切開により結石を除去しました。結石を除去後、膀胱内に生理食塩水を注入し、丁寧に洗浄を繰り返しました。除去した結石は49個ほどあり(写真右)、成分検査でリン酸マグネシウム・アンモニウムから成るストルバイト結石であることが確認されました。術後しばらくは排尿状態は良好でしたが、5日目に再び排尿困難を呈したため、カテーテルを挿入し膀胱洗浄を実施しました。術後10日目に抜糸を行い、その後の経過は良好です。なお手術後から、ストルバイト結石に配慮されたフードを給与しています。
トップページに戻る