さとう動物病院
  長野県 千曲市
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猫の横隔膜ヘルニア
種類
性別
年齢と体重 6カ月齢、2.2kg
症状と診断
昨日から苦しがるような異常呼吸を示し、まったく食欲がないとのことで受診されました。レントゲン検査で、腹腔の臓器が胸腔内に嵌入する所見が得られ、横隔膜ヘルニアと診断されました。原因については思い当たる節はないとのことでしたが、軽度の鼻出血が見られたことから、衝突もしくは落下等の強い衝撃が加えられ、横隔膜が破断したものと推察されました。
処置と経過 人工呼吸を施し、胸腔内に入り込んだ脾臓や胃、腸管などの臓器を腹腔内に戻し、破断した横隔膜を縫合しました。術後、1時間ほどは呼吸が安定せず、はらはらさせられましたが、その後、順調に回復し、2日後に退院することができました。
受診時のレントゲン写真。横隔膜が破断し、本来なら腹腔内にある脾臓や胃、腸管などの臓器が胸腔内に嵌入、胸腔と腹腔の境界がほとんどわからなくなっています。胸部の背側に著しく圧迫された肺が見えますが、心臓は腹腔臓器に覆われまったく見えません。 手術後のレントゲン写真。胸腔と腹腔の境界が明瞭で、術前には見えなかった心臓が胸腔内に認められます。
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