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頭部に形成された浸潤性毛包上皮腫
 患者さんは12歳のゴールデン(雄)です。頭部に腫瘤が形成され表面から出血し始めたため、外科的に摘出しました(写真上)。
 摘出した腫瘤の病理組織学的検査で、浸潤性毛包上皮腫と診断されました。毛包上皮腫は犬では比較的多く見られる皮膚の腫瘍ですが、そのほとんどは良性腫瘍です。しかしながら悪性度の比較的高い浸潤性毛包上皮腫の発生が9%程に認められ、約1%は悪性度が非常に高い悪性毛包上皮腫に分類されます。今回の症例は、腫瘍細胞の大部分が未分化で核異型性が高く、核分裂像も多数認められたことから(写真下)、悪性度の比較的高い浸潤性毛包上皮腫に分類されました。
 手術後、しばらくは術部に浮腫が見られ、悪性度が比較的高い浸潤性毛包上皮腫であったことから、再発が懸念されました。幸い1ヶ月半ほど経過した頃から浮腫が治まり、現在、術後5ヶ月ほど経過しますが、皮膚の状態は非常に良好です。
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