さとう動物病院
   長野県 千曲市
 TEL(026)272-6003
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犬の腸管内異物
 患者さんは4歳のラブラドール(雌)です。4日前、散歩中に家庭ゴミをみつけ、何かを食べてしまったとのことです。その後、ビニール片が糞便としっしょに排泄されましたが、肛門からヒモが出てきて、引っ張っても取り出せないとのことで受診されました。食欲もまったくないとのことです。
 受診時に肛門から出てきていたヒモを引っ張っても強い抵抗を感じたため、全身麻酔をかけレントゲン検査を実施しました。レントゲン検査では胃内にガスの貯留は確認されましたが、明らかな異物は特定できませんでした。肛門からのヒモを引っ張ると、腹部もそれに併せて動くため、ヒモに連続した異物が腸内にあることが確認され、腸管内異物と診断しました。
 直ちに腹部を切開し胃および腸管を検査したところ、十二指腸内に異物が触知され、それに連続して小腸〜大腸の腸管内にヒモが確認されました。十二指腸をレーザーメスで可能な限り小さく切開し、カンシで異物を摘出しました。異物はヒモの塊で、肛門方向の先端を切断したところ、肛門からのヒモもまったく抵抗なく取り出すことができました。手術の翌日から流動食等を給与し、排便ができることを確認して、4日後に元気に退院しました。 
 肛門からヒモが出ています 腸管内から取り出したヒモの塊 
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