さとう動物病院
 長野県千曲市
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骨肉腫を伴った乳腺腫瘍
 患者さんは13歳の雌犬です。腹部に大きな腫瘤ができたため来院されました。直径4cmほどの腫瘤が、左の乳頭に認められました(写真上左)。フィラリア陽性犬で、心臓の状態が安定していることを確認し、外科的に摘出しました。しかしながら1ヶ月後に、手術部に再発を疑う腫瘤が形成されたため、避妊手術と併せて再手術を行いました。
 摘出した腫瘤の病理組織学的検査で、一部に良性乳腺腫も認められましたが(写真上右)、ほとんどは骨形成を伴った悪性の骨肉腫と診断されました(写真下)。骨肉腫は犬の乳癌に伴ってまれにみられることがあり、極めて悪性度の高い腫瘍のひとつです。そのため再発や転移を起こすことが非常に多く、経過観察が必要です。現在、再手術から2カ月ほど経過しますが、いまのところ再発を疑う所見は見られず、避妊手術も併せて実施したこともありとても元気です。
 犬では若齢時に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍の発生をかなり予防することができます。また高齢時にはホルモン異常をきたしている場合が多く、腫瘍摘出時に避妊手術を併せて実施することにより、再発の予防が期待されます。命にかかわる乳腺腫瘍と子宮蓄膿症を予防するためも、早めの避妊手術をお勧めします!!
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