さとう動物病院
  長野県 千曲市
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佐藤動物病院
 犬の口腔内に形成された悪性黒色腫
 患者さんは12歳のハスキー犬(雄、去勢済)です。口腔内に腫瘤が形成され、出血し始めたとのことで受診されました。腫瘤は鶏の卵ほどの大きさがあり(写真左のサークル内)、口腔内粘膜の腫瘍と診断しました。腫瘍の表面は血管が発達し、非常に脆くなっていて出血しやすい状態でした。腫瘤はずいぶん前からできていたようですが、出血し始めるまでは、採食にそれほど支障がなかったとのことです。
 放置すれば出血多量で命にかかわるため、摘出手術を決断しました。手術にはレーザーメスを使用し、出血を抑えながら慎重に行いました。口腔内の深部にもキノコ状に小さな腫瘍が形成され始めており、完全摘出は困難な状況でしたが、可能な限り摘出しました。右の写真は摘出後で、ずいぶんすっきりしています。摘出した腫瘍の病理組織学的検査を実施したところ、悪性黒色腫と診断されました(写真下)。
 術後の経過は良好で、3カ月ほど経過しましたが、元気にしています。悪性黒色腫は非常に悪性度の高い腫瘍であり、再発、転移が懸念されるため、今後も経過観察が必要です。
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