さとう動物病院
   長野県 千曲市
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内視鏡下で除去した犬の食道内異物
 患者さんは1歳半の雄、体重3kg のパピヨンです。前日、骨の形をした棒状のおやつを与えた後、何度も吐いているとのことで受診されました。ぐったりとして元気がなく、水を飲んでもすぐに吐いてしまうことから、閉塞性の食道内異物が疑われました。
 レントゲン検査の結果、食道内に直径3cmほどの大きな異物が認められました(写真左上の矢印)。放置すれば命にかかわることから、内視鏡下で緊急手術を実施しました。異物は引き戻すことが困難であり、特殊なチューブを用いて胃内まで押し下げることにしました。無理をすると心臓に負担がかかることから慎重に行いましたが、押せども押せども異物はまったく動きません。異物を胃内まで押し下げなければ命を救うことができないと自分に言い聞かせ、チューブに力を込めたところ、何とか胃内に押し込むことができました。術後、再度レントゲン検査を実施し、異物が除去されたことを確認しました。衰弱が激しく術後の回復が心配でしたが、3日間の入院後、元気になって退院することができました。
 食道内異物は命にかかわることから、骨の形をした棒状のおやつは犬には与えないほうが無難です。今回のような小型犬は食道が細いため、とくに注意が必要です。
 心臓近くの食道内に異物の陰影が認められます。  内視鏡で巨大な異物が食道内に確認されました。
 直径12mmの特殊なチューブを用いて、異物を押し下げました。   異物が胃内に納まった瞬間です!!
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