さとう動物病院
 長野県 千曲市
トップページに戻る
症例紹介
雄犬の尿道結石

 患者さんは5歳の雄犬です(体重は30kg)。前日から尿が出ていないとのことで受診されました。レントゲン検査で膀胱の著しい膨満を認め(黄色矢印)、小さな結石様の陰影も10個ほど観察されました。レントゲン写真を精査すると、尿道内にも結石様の陰影が認められ(赤色矢印付近)、尿道結石と診断しました。直ちに全身麻酔を施し、カテーテルでフラッシュバックをしながら導尿を試みましたが、結石が邪魔をして膀胱まで達することができませんでした。膀胱穿刺を行い、膀胱から直接100mlほど排尿し膀胱内圧を下げ、再度フラッシュバックをしながらカテーテルを挿入しました。その結果、膀胱まで達することができ、排尿と膀胱洗浄を実施しました。
 尿検査でpHが高く、小さな結晶を多数認めたことから、pHを下げるための療法食の給与をお願いし、さらに細菌を認めたことから抗生物質を処方しました。その後、この雄犬はこれまで通りに排尿しているとのことです。
 なお主な尿検査成績は以下のとおりです。

                    蛋白 pH 潜血 結晶 細菌  白血球

               初診時 ++  8  ++  +++   ++    +++

               10日後 −  5  −   +    +    +

               17日後 −  6  −   −    −    +

 
膀胱(黄色矢印)は著しく膨満し、結石様の陰影が10個ほど観察されました。
赤色矢印付近の尿道内にも、小さな結石様の陰影が認められ、尿道結石と診断しました。
トップページに戻る