さとう動物病院
 長野県 千曲市
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症例紹介
雄犬の尿道結石(手術例)

 患者さんは2歳半の雄犬です(体重12kg、未去勢)。1カ月半ほど前に血尿のため受診されました。尿検査で結晶(ストルバイト)を認めたため、療法食を給与していました。今回、排尿ができなくなったとのことで再受診されました。レントゲン検査で膀胱が著しく膨満し、尿道内に小豆大の陰影を認めたことから、尿道結石による排尿障害と診断しました。
 直ちに全身麻酔を施し、膀胱穿刺を行い膀胱から直接かなりの量の排尿を行いました。次に結石を膀胱内に押し戻すため、生理食塩水でフラッシュバックしながらカテーテルを挿入しました。何度か同じ操作を繰り返しましたが、結石を膀胱内に押し戻すことができなかったため、尿道切開術を施し、結石を摘出しました。結石摘出後、カテーテルを膀胱内に挿入し、膀胱洗浄を行いました。なお、膀胱から採取した尿にはストルバイト結晶は認められませんでした。今後の排尿を促すため去勢も併せて実施しました。
 術後1週間ほど血尿が続きましたが、その後は回復しました。再発を防ぐため、療法食の給与を継続中です。 
レントゲン検査で、矢印先端部の尿道内に陰影が確認されました。膀胱は尿を貯留し著しく膨満しています。 尿道から摘出された結石。ゴツゴツした結晶状で、長さが4.7mm、幅が3.7mmありました。
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