さとう動物病院
  長野県 千曲市
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佐藤動物病院

 雄犬の尾部に見られた肛門周囲腺腫
 患者さんは16才の雄犬です。尾部に腫瘤が形成され、出血し始めたとのことで受診されました。腫瘤はずいぶん前から形成されていたとのことです。尾根部背側に見られた腫瘤は鶏の卵ほどの大きさで、表面が自壊し出血を伴っていました。クルミ大の腫瘤が尾根部の左側と、肛門の皮下にも認められました。皮膚の腫瘍と診断し、腫瘍だけの摘出は困難であったことから、断尾により摘出を行いました。肛門皮下の腫瘍は、肛門周囲腺腫が疑われたため、併せて去勢手術も実施しました。高齢犬であり負担が大きいことから、肛門皮下の腫瘤は摘出しませんでした。肛門周囲腺腫は男性ホルモンの影響を強く受けているため、去勢により退縮することが期待されます。摘出した腫瘤の病理組織学的検査で、肛門周囲腺腫と診断されました。手術後の経過は良好で、2か月ほど経過しましたが、肛門部の腫瘤は幾分小さくなりました。
 肛門周囲腺腫は肛門周囲に認められることがほとんどですが、今回の症例のように肛門周囲以外にも発生することがあります。とくに未去勢犬には肛門周囲腺腫が発生しやすいので、早めの去勢手術をおすすめします。
 
 
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