さとう動物病院
 長野県 千曲市
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ウサギの子宮癌
 患者さんは雌のミニウサギです。年齢は5歳、体重は2.16kg。血尿が続いているとのことで受診されました。診察したところ真性の血尿ではなく、子宮疾患が疑われたためレントゲン検査を実施しました(写真左)。その結果、子宮に明瞭な腫瘤が観察されたことから、子宮の腫瘍と仮診断しました。
 全身麻酔を施し、卵巣子宮摘出術を行いました。右の写真は摘出した子宮ですが、子宮壁に多数の腫瘤が形成され、いびつな形をして著しく腫大し、子宮内には高度の出血が認められました。病理組織学的検査で、子宮腺癌および平滑筋の腫瘍と診断されました。単純な子宮癌ではなく、2種類の腫瘍が認められた、非常に悪性度の高い癌です。幸い術後の経過は非常に良好で、2週間後の抜糸時には、とても元気な姿を見せてくれました。
 なおウサギの子宮疾患は、子宮蓄膿症も含めて、不妊手術で予防することができます。健康な時に早めの手術をお勧めします。
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