さとう動物病院
   長野県 千曲市
 TEL(026)272-6003
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去勢により回復した雄犬の脱毛症
 患者さんは5歳のポメラニアン(雄)です。半年ほど前から全身の脱毛が始まったとのことで受診されました。左上が初診時の写真で、脇腹から臀部にかけて高度の脱毛が見られます。初診時に、右の精巣が鼠径部に留まっている停留精巣を認めましたが、精巣の大きさは正常より小さめでした。停留精巣が腫瘍化して起こるホルモン性の皮膚病は、本サイトでも掲載していますが、今回は精巣の大きさからは腫瘍化しているとは考えられませんでした。
 アレルギー性の皮膚病を考慮し、3カ月間ほど処置をしましたが、まったく改善は見られませんでした。そこでホルモン性の皮膚病も考慮し、去勢手術を行いました。右上の写真は去勢手術直前の写真です。
 去勢後2カ月間ほどは、ほとんど改善は認められませんでしたが、3カ月間ほど経過した頃から発毛が見られ始め、食欲も増進しました。下の2枚は去勢後7カ月ほど経過したときに撮影した写真です。発毛が進み、見違えるように毛がふさふさとしていました。体重は初診時に3.2kgだったものが、このときには4kgに増加していました。
 今回は停留精巣が明らかに腫瘍化していた事例ではありませんでしたが、去勢手術により回復したことから、停留精巣に起因したホルモン性の脱毛症と考えられました。 
上は去勢手術前の写真、下は去勢手術後7カ月ほど経過したときの写真です。
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