さとう動物病院
長野県 千曲市
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さとう動物病院
ウサギのツメダニ症
種類 ウサギ
性別
年齢と体重 4歳、2.4kg
症状と診断 1週間ほど前から背中を痒がり、脱毛し始めたとのことで受診されました。典型的な病変は、背中の中央に沿って幅一センチ、長さ5センチほどの範囲に認められ、脱毛と多量のフケが観察されました。病変部の皮膚を採取し顕微鏡で観察したところ、ウサギツメダニが多数検出され、ツメダニ症と診断しました。
処置と経過 ウサギツメダニは、皮膚の深部に寄生して疥癬症を起こすヒゼンダニとは異なり、皮膚の表面近くに寄生しています。そのため、疥癬に効果があるイベルメクチンだけでは確実な効果は期待できません。そこで今回は、イベルメクチンを10日間隔で3回皮下注射するとともに、動物用外部寄生虫駆除剤(ネグホン散)をウサギの体表に1週間間隔で数回ほど塗布することにしました。
病変部の皮膚に、ウサギツメダニがたくさん認められました。
なおツメダニは人の皮膚も刺し、皮膚炎を起こすことがあるといわれていますので、注意が必要です。
ツメダニの強拡大写真。ツメダニは一見したところ疥癬症を起こすヒゼンダニに似ていますが、顎が発達しているので区別されます。腹部に卵円形の大きな卵が1個認められ、産卵された卵は左の写真にも写っています。
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